おはようございます。2016年2月から3月にかけて、東京からアサヤさんにインターンへ来た大学生の野口真也です。本日は「定置部門」の仕事振りを紹介します。
8:00 勤務開始
この日は事務作業から始まりました。気仙沼本社の定置担当は吉田さん・小松さんのお二方なんですが、人数が少ないので、忙しいときには他部門の方の力を借りることもあります。一日の初めには、配達する荷物のリストを作ったり、その日の海の状況や水揚げ状況をインターネットで確認したりします。最近は漁業の情報発信もIT化されているんですね。
8:30 配達
定置網の漁のシーズンは6月~12月らしく、自分がインターンに行っていた3月だと、網を沖に出している業者はほとんどありませんでした。この時期の漁師さんは網の修理などに勤しんでいるので、資材の配達が多くなります。定置網は7~20人くらいで漁を行うので、養殖部門と違って、網工場にはたくさんの漁師さんがいました。大学のことなど、いろいろと質問されて会話させてもらったんですが、やっぱり方言が難しく、外国語を聞いているような気分になってしまいましたね(笑)でも皆さん優しくて、方言が聞き取れなかったことを笑いにしてくれるくらいでした。
9:30 移動
次に、気仙沼本社から50㎞離れた、岩手県大船渡市にあるアサヤの越喜来工場まで網を運びに行きました。定置の網は非常に大きくて10トン車で運ぶんですよ。この運転手は何と定置担当の小松さん!小松さんは「久々だから怖え~べっちゃ~」なんて仰っていましたが、ちゃんと10トン車を乗りこなしていました。10トン車を自分で運転できる営業の人なんて、都心だったらなかなかいないですよね(笑)
10:30 越喜来工場で網捌き
越喜来工場に到着しました。越喜来工場は定置網で使う網の仕立を行っている工場です。ここで簡単に定置網について紹介すると、定置網というのは非常に大規模な漁業でして、一つの漁場がものすごく広いのです。網で囲われた魚を回遊させる部分の面積を合わせると、東京ドーム一個分もの広さになる漁場も少なくないんだとか。また、定置網を設置した漁場は、水深90メートルに及ぶところもあって、30階分のビルがスッポリと海底に入るような計算になります。
しかも、地形、海流、目的とする魚種などに合わせて、網の形は漁場によって変わってくるので、驚くことに、定置網というのは全てオーダーメイドで作られているんです。そのため、一つの漁場にかかる定置網の費用は数億円から十数億円!しかも、東北地方にはそんな定置網が100カ統近くもあるんです。それだけの規模で行われている定置網を支える仕事ですから、とても奥が深く、やりがいのある仕事なんだろうなと感じますね~。
越喜来工場では、網を10トントラックに積み込みました。網というのは意外にも重く、写真は網のごく一部なんですが、これでも10トンの重さがあります。一つの漁場で使われている網を合わせると、50~70トンもの重さになるそうです。この網を持ち上げるときには、網捌機というローラーのような滑車のような機材をクレーンに取り付けて使います。この積み込み作業には、大体一時間くらいの時間がかかりました。ちなみに、クレーンの操作を行っているのも小松さん!アサヤの営業さんはクレーンの操作まで行ってしまうんですね(笑)
12:00 昼食
定置部門の方々の昼食は、会社の食堂だったり、外食だったりと日によって変わります。今回はアサヤの釜石支店の近くの食堂でご馳走になりました。本当にご馳走になってばかりで恐縮です(笑)でも、定置網の漁のシーズンになると、定置部門の方々は「番屋」という漁師さんの休憩小屋に招かれて、その日獲れたての魚を刺し身や煮付けにして食べさせてもらえるそうです。自分もそのシーズンにお邪魔したかった・・・
13:00 釜石支店
午後は岩手県釜石支店からスタートしました。釜石支店の皆さんはとても明るく、気仙沼本社同様にとてもきれいなオフィスでした。釜石支店には小さな作業場があり、そこには写真のような水中ロボットが置いてありました。自分は初めて水中ロボットというもの見たんですが、純粋にかっこいいと思いました(笑)このロボットは水深150メートル程度まで潜ることができ、定置網の網が破損していないかを点検したり、海底の地形を調査したり、先端に付けたカッターで海底に残ったロープを切ったりすることができます。写真がロボットで撮影した海底の様子ですが、海底の様子が結構鮮明に移るんですね。
この水中ロボット、気になるお値段は1,000万円!それだけ高価な機材ですから、操作するのはもちろん専門の担当者と思いきや、何と、この作業も小松さん!小松さんって一体何者なんでしょうか(笑)本当、都心のサラリーマンとは違って、何でも手掛けてしまうんですね。
14:30 クレーン取り付けと試運転
お次は漁港にお邪魔して、船に取り付けてあるクレーンの改造を行いました。この改造はクレーンの作業効率を上げるためのもので、今まで一箇所だったクレーンの操作場所を新たに船の操舵室近くにも取り付け、二箇所で操作できるようにするというものです。これにより、クレーンを上から見ることができ、船からトラックに網を積み込む作業がやりやすくなります。下で見ながら操作するのは危ないですし、潮の満ち引きによっては見えないこともありますからね。
船のクレーンの操作場所を二箇所にするという改造は、2016年現在の三陸では新しい取り組みで、アサヤが最初に取り組んだといっても過言ではないとのこと。今後はどんどん広がっていくのではないかと言われていますが、こうして他の会社よりも早く取り組むことも重要なことなんでしょうね。そのためには、様々な方々からいろいろな情報をいち早く入手しなければいけません。ここは地方でも都心でも同じなんですね。定置部門は現場を担っている場面が多かったので、ある意味、ようやく営業らしい一面が見えたような気がしました(笑)
16:00 網染め作業
ようやく宮城県に戻ってきました。越喜来工場で積み込んできた網を、気仙沼の階上工場で網染めをします。網染めというのは、仕立てた定置網に防汚剤という薬品を馴染ませることで、海に入れた網に海藻や微生物が付きにくいようにするものです。この網染めを行うことで、一ヶ月でびっしり汚れが付いてしまうものが半年保つようになるのです。しかし、この防汚剤は非常に強烈な匂いがあり、マスクなしでの長時間の作業は困難です。この作業は営業さんと工場の職員さんと協力してやっているので、様々な関係者が協力しあうことで定置部門の仕事が成り立っているんだなと感じました。
17:00 帰社
自分が訪問した3月は定置網の準備期間なので、資材の搬入が忙しくて、17:00きっかりに帰れることはほとんどありません。しかし、定置部門の仕事はとても奥が深く、勉強することがたくさんあるので、生涯飽きないやりがいのある仕事になるのは間違いないと思います!また、小松さんのように、営業でありながら現場の仕事も担っていく、というのもこの仕事の魅力だとも感じました。一生の仕事でやりがいを求めるなら、アサヤの定置部門はいかがですか?
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