仕事紹介(漁船部門)


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こんにちは!2016年2月から3月にかけて、東京からアサヤさんにインターンへ来た大学生の野口真也と申します。

今回のインターンでは、人生で初めて気仙沼という地に足を踏み入れ、東京では全く馴染みのない「漁具」を扱う仕事を体験させてもらいました。せっかくの機会なので、体験した内容を外の方にもご紹介したいと思い、こうしてレポートを書いています。

アサヤには「漁船部門」「養殖部門」「定置部門」という3つの部門があるのですが、まずは「漁船部門」の仕事から紹介させていただきます。

まず、左の写真がアサヤの気仙沼本社です。元々は魚市場前という海の近くの場所にあったのですが、東日本大震災で被災・流出してしまったそうです。その後、プレハブ仮設の事務所を経て、2013年10月に少し内陸の松川前という場所に本社が建てられました。

右の写真がオフィスの中です。毎日事務のきれいなお姉さんが掃除をしているので、とても働きやすい環境に感じますし、社員さんも仲よく楽しくやっていらっしゃるようです。休日にみんなで釣りに出かける仲間もいるんだとか。

8:00 出勤・朝礼

8時には全員出勤して朝礼が始まり、当番の人が漁船の情報や地域の様子を報告します。朝礼の最後には、気合を入れるために、「今日も一日元気に頑張りましょう!」「ヨイショ!」の掛け声!

8:30 漁港訪問 出港確認

早速、漁船部門の営業さんに付いて、朝の気仙沼港に出向きます。さぞかし魚や船がいっぱい!・・・と思って8時半に着いたら、魚市場にはもうほとんど何もない状態でした。実は、魚市場への水揚げは深夜0時から始まり、多くの魚が入札で市場に並ぶピークは早朝4~6時。たくさんの魚を見るためには、早起きが必須なんですね。気仙沼はメカジキやサンマが有名で、9~11月に行けば写真のような迫力のある風景が見られるそうです。

その後、メカジキを捕まえるための釣りの仕掛けや捕った後に魚を包む冷凍紙などの積み込みをしました。船内に入ると、インドネシア人の方々も作業をしており、日本人だけの職場をイメージしていた自分にとっては新鮮な光景です。営業さんは長い付き合いもあって打ち解けた雰囲気で、強面で物静か漁師さんやインドネシア人の方々とパチンコや地域のたわいもない話をしていました。

ちなみに、仕事が終わって船を降りようとすると、何やらビニール袋が手渡されます。中身を見てみたら、なんと大きなメカジキのブロック!おそらく、この大きさ・厚さ・時期から考えると、東京では1万円してもおかしくないでしょう・・・東京でも近所でのおすそ分けはありますが、野菜を少し分けてもらえるぐらい。地方ならではの気前の良さにも驚きますが、長年のキャリアで築きあげられた信頼関係の賜物なんだろうなと感じます。もちろん、いただいたメカジキは、後で美味しくお刺身でいただきました(笑)

10:00 荷物の搬入

続いて、現在スペイン沖にいる日本船に生活用品や食料などの荷物を送るための搬入作業です。スペインにも日本料理店はあるそうなのですが、漁師さんの口には合わないそうで。そのため、日本から食料を送るのですが、内容はお米や調味料、ノリの佃煮や天ぷら粉など盛りだくさん。船の上で食べる天ぷらなんて最高だろうなぁ、と想像してしまいました。さらには、掃除機やコーヒーメーカーなどの生活家電も。もしかしたら、陸にいる私達より良い生活を送っている漁師さんもいるのかもしれません。

11:00 営業・地域回り

今度は、漁港近くの電機関係を扱う工場にお邪魔しました。アサヤにも機械を扱う鉄工場はあるのですが、こちらの工場にはアサヤで扱えない電機関係の部品の修理をお願いしています。この日は、マグロ船から餌や仕掛けを海に投げるときに使う「投餌機」という機械が潮をかぶって故障してしまい、今の部品を修理してまた使えるようにすべきか、新しい部品を購入して交換すべきか、真剣に話し合っていました。真面目な話の後は、事務所にお邪魔して、コーヒーやお煎餅をいただきながらの談笑。周りの業者さんとも仲良く仕事をしているようです。ちなみに、投餌機は船頭さんから新しいご注文をいただきました!

12:00 昼食

アサヤには厨房はありませんが、買ってきたお弁当などを食べるスペースがあります。幸い、すぐ近くにスーパーやコンビニが多いので、皆さん買ってきて食べる方も多いようです。食べるときはテレビをつけながら、ワイワイ談笑しながら食べていました。もちろん、営業に行っている人などは外で食べるようですが、皆さんなるべく帰ってきて食べるようにしているそうです。

13:00 事務作業

午後からは打って変わって事務作業。この日は新しい投餌機の注文をしたのですが、投餌機は何百万円もする商品なので、ちゃんとお客様のニーズに合った物を選定しなければなりません。ちなみに、アサヤは漁師さん以外にも取引があります。例えば、ホームセンターに漁具を納めていたり、船の洗剤であるハイトレールがトラックを洗うのにも便利ということで、運送業者さんに小売したりしています。漁師さん以外からの注文にも対応しているので、ある意味、気仙沼の総合商社のような側面もあるのかもしれませんね。

15:00 鉄工場訪問

アサヤには本社から少し離れた階上という場所に工場があり、油圧機器の溶接・修理等を行っています。写真は救命筏(いかだ)の整備風景です。救命筏の中には非常食や薬剤が常備されているのですが、薬剤の中には酔い止めも入っています。普段船に乗っている漁師さんでも、救命筏は揺れの度合いが違うらしく、酔ってしまうことがある、というのには正直驚きました(笑)作業内容を説明してもらった後、一時休憩として鉄工場で飲むコーヒーは最高でした!

17:00 勤務終了

基本的にアサヤには残業がありません。本当にさっと帰っていきます(笑)皆さん、宵越しの仕事は残さないということで、その分、愛する奥さんや彼女のもとに早く帰ることができるのですね。しかし、やることはやる。浜の男らしくてカッコいい、以上が漁船部門の働き方でした。

後日 出船送り

遠洋マグロ漁船の場合、一度出港した船は約1年間、港に帰ってきません。そのため、出港する際には多くの人が集まり船を見送る「出船送り」というイベントがあります。今回のインターンではいろいろとお世話になった第八明神丸さんが、ちょうどインターン中に出港するとのことだったので、私も出船送りに行ってきました。第八明神丸さんは当日100人程度の方がいらっしゃったのですが、地元の人によれば、昔は今の2~3倍も人が来ていたそうです。

ちなみに、出港のセレモニーが終わり、船が遠ざかっていくのを見送っていたところ、何故か船員さんたちがもう一度陸へと帰ってきます。「船に乗って仕事をするはずの人が何故?」と疑問に思って聞いたところ、何と、漁師さんは飛行機でインドネシアまで行くとのこと。その後、インドネシア人の船員さんを乗せて、現地から一年の操業がスタートするんだとか・・・ドラマで見るような別れのシーンとは全然違っていて、自分には相当な驚きでしたが、考えてみると、船主さんにとっては船もわが子のようなもの。出船送りをする船主さんの気持ちは、昔も今も変わらないのかも、と思いました。

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